久々に顔が真っ赤になるほど、腹が立った。


怒りの表現で「腸が煮えくり返る」とあるけど、熱した石を体内に投入したようにボコボコと血が即沸騰する感じ。
内臓どころか、足の先から頭のてっぺんまで一気に燃えぎったようなね。

あの時の私はスーパーサイヤ人になれたかもしれん。いや、確実になれたな。怒りがパワーの源だし。


事の発端は前に書いたA電機からの電話。



電話の画面を見て、嫌な予感しかなかったけど電話口の相手でその予感は確定。

あのモラハラ課長からの連絡。


私の仕事の担当は別の人(D男)なので、課長から直接連絡がくることはまずない。


「とうとう、やらかしてしまったんだな」と、即座に思い細心の注意を払っていたのに来るべき時が来てしまったわ、と思っていた。


電話に出ると
「A電機の〇〇ですけど」と、始まりお決まり挨拶を交わした後、
私から
「何かも(問題でもありましたか?)と聞いてる最中に

「今から来れる?」と。

やらかしは確定として、何をミスしてるのか?どれだけの規模になってるのか?が分からなかったので
「何か不備があり(ましたか?)

「今から来れるの?」と、再度遮るように。

何の資料も持たずに行く事もできないので何の件(前回の仕事の件かもっと前に納入してる件)かだけでも聞こうと再度
「前回(の件でしょうか?)と聞くところで、再々度遮り

「こっちは来れるか?来れないか?聞いてるんだけど」と。

内心「クソヤローが」と、思いつつもこちらが悪いので
「分かりました。今から伺います。40分程かかるので〇時頃になるかと思いますがよろ(しいでしょうか?)

「あ~はいはい。とにかく、すぐ来て!」『ッガチャ!』

「・・・・・・」

腹が立つのは課長にもだけど、そもそも自分がミスをしていなければ、こんな事にはなってないので自分にも腹が立ってくる。

あんなに気を付けてたのに~~~!馬鹿たれ~!と後悔しても過去は戻らない。


とりあえず今までの資料のファイルとデータを転送したノートPC、お詫びのお菓子を持ってA電機へ。


着くまでの間、緊張から何度もえずいて気持ち悪くて仕方なかったけど、どっか「これで取引停止になってしまったら、仕方ないよね」という安直な考えもありながら「あ~でも弁償とか言われたら、どうしよう」とか「あいつなら弁償します、とこっちが言うまで帰してくれなさそうだわ」とか「あ~でも契約書には弁償しない、みたいな事は書いてたから、それは伝えないとだわ~」(納品した物は必ずチェックしてから後工程に回すよう書いてあって、後工程に回ったモノに関しては責任を負いかねる、というような事を書いてる)とかグルグル考えてた。


正直、これで縁が切れるなら「もういいや」と思ってたし「そっちの方向にいってくれると助かる」ぐらいに思ってた。
今回の件で返金(弁済)で済むなら、さっさとそれには応じるつもりだったし、着く前から既に「いかに早く帰れるか」ばかり気にして、形だけの責任の取り方をしようとしてる自分に「社会人としてどうなんだ!」と叱咤しつつも気付けばA電機に。


ウダウダ考えても仕方ないので、無心で荷物を抱え事務所に入った。


事務所内のザワつきが自分の思ってる以上の損害を出してるような感じがしたけど、とにかく案内された席で課長を待つことに。


長く感じるよね。こういう時って。


足音が近づく音でまた、えずきそうになったけど、我慢して課長が視界に入ったので席を立つ。

課長は近付くなり『バッサー』と紙の束をテーブルに無げ飛ばした。

さっきまでの、えずきは引っ込んでイラッとしたけど、見ると前回の仕事の資料。


資料を確認したところで「で?これが何?」と言いたいとこだけど、紙を投げ飛ばしてからは何も喋らず「だろ?」的な「分かるよな?」的な態度でふんぞり返ってる。

これにもまた、イラッとしつつも「いや、分からんわ。分かってたら、ここ来てねぇわ」と思いつつもこっちから
「今回の件で何かあ(りましたか?)
課長
「それ!」


もうね、遮るならちゃんと説明しろよ!


で?「それ」って何なんだ?私をエスパー魔美と勘違いしとんのか?と、ここらからは、もう反省する気が失せてるわ。


「はい。で、これの何が問題でしたか?」(もう怒り気味です)

「仕様違う」(仕様とは指示書みたいなものです。『クマ』を作れと言われてるのに『ウサギ』を作ったみたいな)


えっ!うそ!何で?どういうこったよ?!


もう、さっきまで怒り気味でしたが、引っ込みますよ。猛省モードですよ。血の気引いて、寒いぐらいですよ。


あり得ないようなミスなんですよ。仕様が違うなんて。一番、最初に確認して一番重要なとこです。

ここが違えば、何を作っても意味がないほどの基礎部分ですよ。そりゃ、こんな横柄な態度に出られても文句は言えまいよ。

後工程に回ってるんであれば、責任は負えないとか契約上の話だけでは済まないのよ。
「D男、チェックしてなかったんかい?」とか、そんな事はどうでもよくなるぐらいに、基礎中の基礎の部分。


ただね、確認はしなきゃならんのですよ。
もうこっちは「はわわわあぁぁぁ~~~」とした感じで
「恐れ入りますが内容を確認させていただけますか?」とね。平身低頭。上げれんよ、顔。

返事をしない課長だけど、何も気にならんわ。そんなこと。


PC開けて、自分の資料と目の前の資料。更にはファイルしてある資料を確認。


決定的な証拠を見つけたくないけど、見つけないわけにもいかない。
手はブルッブルッ震えてきてマウスなんてW³クリックみたいになりながら、メールも確認。


無いんだわ。私の手元には、目の前にある仕様の資料が。


これ、今回の仕事はそもそもコロナ前の仕事で、最初は『クマ作って』の仕様だったけどコロナで一時中止になり、先月の打ち合わせで再開となったけど仕様変更になって『ウサギ作って』となっていた。


よくよく見ると、目の前にあるのは『クマ作って』仕様に似てるけどちょっと違う。
最初の仕様とは若干違ってて『クマ作って、ちなみに色は青で』みたいになってる。


私の資料は『クマ作って』と『ウサギ作って』しかなくて、メールを見ても変更の指示はきてない。青色の話も寝耳に水状態だし。
Outlookを信用するならば、が大前提だけどね。


この時もまだ自分が悪い、と思ってるから「メールに何らかの不具合があったとしても普通、仕様変更になったら連絡くれるだろうから、電話もらってたけど忘れてたの?」と、今度は電話の履歴も確認して~とやってても無い。


ここで「D男のヤロー、メール送って確認の連絡してないんか?!」と思いながらも、とりあえず今の状況を課長に説明。


「聞いてない」と。
「資料もない、メールもない、電話もない、その情報は知りません」としか今は言えないので、そのように伝える。


「ちょっ、知りませんってさ~」と、鼻で笑い
「それじゃ済まないから呼んでるんだけど?」
「どういうつもり?」


は?
どういうつもりも何も、知らんがな。
こっちはその情報聞いとらん。
考えうる、あらゆるエビデンスを引っ掻き回しても出てこんのよ、その情報。



ここらで「伝え忘れとらんか?」と、疑問が湧く。


どういうつもり?には答えず
「D男さんからは、その仕様の連絡が入っていない」
「先月の打ち合わせでの『ウサギ作って』仕様が最終の仕様だと私は認識している」

と、伝えると


舌打ちをし席を立って、どっか行く課長。


私もさっきまでの平身低頭はどっか行って、まさかの大逆転勝利かもしれん!と思いつつも
「あの課長、D男に確認してから私に連絡したんじゃないの?」と思うと沸々と怒りが湧いてくる。


ただ、人をあんな風に呼びつけておいて「確認してない」はないだろう、と思ってた。
「普通は社内で一度、確認するでしょう」と。


しばらく待ったよね~。お腹が空いてきて、緊張感も解けるくらい待ったわ。



そして、この記事が怒りのせいで思った以上に長くなったので前半と後半に分けたんだわね。
次回、私のサヨナラホームランが出るか、スーパーサイヤ人になるのか、超人ハルクに変身したか、だな。