~人は細い稜線を歩いてるようなもの~

どこかで見たんだけど、すっかりどこから得た言葉か忘れてる。

人の人生は足を踏み外せば深い谷底に落ちてしまう。それは運命などではなく、踏み出した一歩であって一つの行動の結果。

出来心はそれに似てる。ちょっとしたイタズラ心から蹴り飛ばした小石は、やがて大きな落石になってしまう。


今日、昼食を買いにコンビニに行った。
ついでに前から何度も買いたいのに買えなかった紙パックの『アップルティー』を買うつもりで行った。
なんなら、これがメインで昼食がついでの用事ぐらいに、ここ最近私の口が欲しがってる飲み物。

だが、なんか知らんが今日も売り切れ。

これで3回連続売り切れ。

どんだけ皆『アップルティー』飲みたい時期なの。私の知らないとこで『アップルティーダイエット』でも始まってんのか。


2回目までは『なんちゃらティー』関連は全て売り切れだったけど、今日はピーチだけは生き残ってた。

「ピーチじゃないんだよなぁ~、アップルなんだよなぁ~」と思ったけど、『なんちゃらティー』だったら何でもいいか、と気分を切り替え腹いせに口あたりがいいチョコを買い、家に帰った。


出来心ってやつはどうして湧いてきてしまうんだろう。
善悪の判別がつくかつかないか、の時からふわっと湧く小さな悪い心。
今は相当に年を経ているのに未だに湧いてしまう出来心。


家に帰って、チョコの匂いに食いついてくるチャコ。食べないけど、この匂いが相当好きなのか個包装を破る音で飛んでくる。
この時、チャコを撫でながら私の側には、まだ捨てていないお弁当のパックがあった。
お弁当の蓋を留めているテープが目に入った。
テープをペリッとはずし、チャコの頭に貼ってみる。


頭にテープを貼った間抜けな姿を見たら満足する予定であった。ただただ、それだけ。
ここ最近の遊び催促の鬱憤を少しイタズラをして晴らそうと思ってた。


ペッとテープを貼った瞬間は良かった。こっちもニヤニヤして、満足したので剥がそうと思ったら、すごい勢いで逃げていった。

【すでに彼女は貼られた瞬間に屈辱的な嫌がらせを受けた事に気付いていたのだ】としか、思えん表情での逃げ。

一瞬、
「買い物袋に勝手に入って、勝手にこんがらがって、勝手にパニックになって、家中を袋被ったまま走り転げ、助けようにもすごいスピードで転げ逃げ回っていたチャコ」
を思い出し、ちょっとした出来心とはいえ「またあんな風になったら大変だ!」と思い追い回す風ではないように慌てず、ゆったり動作で追い回した。

チョコで気を惹いてみるも彼女の目は「ニンゲン、、、キライ」という色が出ている。
猫じゃらしでおびき寄せてみるも、目線は猫じゃらしを追っているが、私への警戒は一切解いておらず、むしろ私の心中を察している上で、野生の性には逆らえない様子。


「プライドが高い猫を笑い物にするなかれ!」と、猫飼い歴=自分の年齢ー3年の私は重々その事を理解した上で飼い主をしている。
分かっているけど、どうにも『あのプライドが高い猫が鈍臭い失敗をする』『あのプライドが高い猫が間抜け』『あのプライドが高い猫が・・・』と数々の『あの・・・』シリーズが私にとっては大好物であり唯一、年齢の変化に対応する笑いのネタ。

しれっとオナラをして素知らぬフリをしている時も「やったのか!やったな!」と指摘しながら笑ってしまい、ATフィールドを張られてしまうし。
変な顔(真剣!)(`・ω・´)キリッで「グルルルルゥゥゥ、ゴロゴロォォォ(乳ふみ)」してる時も「ちょっwブサイクだなw」と笑ってしまい「何がそんなに面白いんや。お前の顔は笑えんレベルやど」と言いたげに動作を止めて、スッと目を細める。

何度も何度も軽蔑・侮蔑の眼差しをあてられても止められないおちょけ。


頭に貼られたテープがペロンとなってて、真剣な表情にテープの絶妙なカーブが間抜けそのものでも『絶対に今は笑ってはいけない空気』を醸し出すチャコ。
ここで笑ってしまえば二度とチャコは私に心を開いてくれない気がしてしょうがない。チュールなんかじゃぁ、取り戻せない。


ふざけながら謝ると全て見透かされてしまうので、こちらも真剣に「ごめん、ごめん。本当にごめんなさい」と何度も謝りながら、奥の手でも何でもないが結局、チュールでおびき寄せ無事テープ回収。

チュールを舐めてる最中もテープを取った後も、チュールを食べ終わった後も、ずーっと解かれん警戒態勢
「こんなので騙されるか」とでも言ってるギリリとした目。


いつもはあんな時間に押し入れに行かないのに(押し入れに行く時は寝る時)そそくさと、食べ終わったら入っていった。
そして私は深く後悔しながらも、やっぱりあの真剣な顔にペロリンテープは笑えたな、と全く反省していない自分と「また、やってまったな」とちゃんと反省してる自分とを両方抱えながら今これを書いている。

モタモタとこれを書いてる間に、少し機嫌を直した(忘れた?)チャコが起きてきたので伸びをさせてやり(文で書けんね。腕を抱えてミョーンをさせてる)、そのままどさくさ紛れにスキンシップをして信頼関係の修復を図っている。


根に持ちそうな性格なので、ご機嫌直しと私の一年越しの『やろうと思ってたリスト』の一つを完了する為に羊毛フェルトミニオンボールを作ろうと思う。どうせ、暇だしね。暇だとろくな事しないし。
やっるっぞぉぉぉ!

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チャコとのエピソードがどうしても多いね。

サバコは何やってんだ、と言うと今回だとチャコのATフィールドが全開したとこで、隅に寄って細目で観察。
チュールが出たとこで我さきに舐めにきてチャコの分も奪い取ろうとする。
チャコがふて寝する時にはサバコは床で腹を見せてる。
ゴロゴロしながら、いいだけ私に腹をアピール。誘惑に乗り、私が触ろうとするとこで猫パンチして、それから押し入れに行き昼寝。
チャコより先に起きてきて、エサを食べ私が席を立つ隙を見て場所をとる。そしてまた腹を見せる。

エサ・腹・水・「入れろ」と「出せ」の合図。こればっかだな。とにかく日がな一日、人が座ってた場所を奪い取ることばかりしてるな。いついかなる時でも場所を取ることには余念がない。

猫の愛らしさを切り取ってくれてる画集。猪熊さんはサイコーだ。